双極性障害(躁うつ病)の巧妙な罠 (第1弾)
12月 28th, 2005 by keren
私は双極性障害2型と診断されています。1型でないので当初は軽く(甘く)考えていました。そして8ヶ月近く仕事をできなくしてしまいました。1型も2型も躁には違いないことに気づくのに時間がかかりました。
この病気はまことに不思議な病気です。突然「それ」がやってきて、そして突然去っていく。いろいろ調べて見るものの、病気そのものは改善しないし、メカニズムは未だ解明されていない。薬を飲んでみるもののやはりピンとこない。
私は治療が長引いているのは軽躁状態になると病識を失って活発な活動を行い、知らず知らずに休息を自ら取らなくして、エネルギーを消費しているからではないか。そう思いました。
なのに、軽躁状態になると私はそのことを忘れ、人の忠告に耳を貸さなくなり、活発な活動をエスカレートさせました。
そして今、これこそがこの病気の罠であるのではないか、患者は繰り返し過ちを犯すのではないか、そう思うようになりました。主治医の回答は(繰り返しの部分について)「その通りです」でした。気分障害一般にそうだとも言っておられました。
現在このページをご覧の方はご自分が何時間PCに向かっているか考えていただけると分かると思います。ブログを書いている方はどれだけ毎日エネルギーを割いているかをお考えいただくと、そのことが実はご自身のエネルギーを消耗させているのと言えないでしょうか?大事な休息を忘れさせられてしまっているのではないでしょうか?
わたしの考えですが、この病気と付き合うのは自分の中に正確な知識を持ったクールな精神科医を一人置いておき、その精神科医のアドバイスに従うことだと思いました。(その精神科医は疾患を持っていないことが前提)←その内なる精神科医については第6弾参照〔06.10.31〕
その内なる医師は私にズケズケ言います。
「今あなたは多弁ですね。何か始めようとしていますけど、それ本当にやりたいことなのですか。前から計画していたものじゃないでしょう?。それと、今日何かするって言ってましたけど本当に今日しなければならないのですか。明日にずらすことはできませんか?できないんですよね。あなた、今私の言うことに対して腹を立ててますね。『オレは間違ったことなどしてない!干渉するなって。』 あなた躁ですよ!自分は正しいなんて勘違いしたらいけませんよ!エネルギーを間違って使おうとしてますよ!」と。
もう、知識は十分持っているのです。あとは躁転時にしっかり見極め、ブレーキを利かすだけです。その何かが必要なのだと思います。この病気は至極簡単な典型的症状を呈します。しかし、それが簡単かつ巧妙な罠になっているのです。多くの人がその罠に知らず知らず、はまってしまっているのではないでしょうか。
もう一つ言えるのは、この病気は自己のあるべき「気分」を自己(のそのときの気分)で決めることを強いるのです。なんという残酷な仕掛けでしょうか。
私の父親は19年前亡くなりましたが、同じ病気を患っていました。※当時の医療を考えると、父はこの病気の罠など知らずに投薬を受け続け、悪化したのでしょう。※
当時高校生だった私は長い間父の病気が不思議で仕方がなかったのですが、自分がその病に罹り、その謎が解けたような気がしています。
この病気に苦しむ多くの方が、この病気の巧妙な罠という仮説に気づき、そこから抜け出すすべを身に付け、実践することで、寛解に近づくことを心からお祈りいたします。
※父はこの病気をきちんと理解していました。父の入院していた病院にカルテが残っていました。それを基に老院長(当時の担当医)から説明を受けました。カルテにおける父の発言を聞き私は父への無理解を恥じ、その苦悩している様子を初めて知り涙しました。そして、父はラピッドであることも診察で説明していました。症状は進行していたようでした。[06.10.24]
※当時リーマス(炭酸リチウム)が使われはじめ、医師は飛びついたそうです。しかし激しい副作用を目の当たりにして、消極的にならざるを得なかったそうです。当然投与量は少なく、もっともだなと感じました。[06.11.9]